2010年秋冬のトレンドは??
夏物も終盤にさしかかった今、今季秋冬のトレンドの傾向について、スタイリングオフィス・core代表の高田敏代先生にお話を伺いました。
高田先生は、いくつかの女子大でファッション業界を目指している生徒を指導しておられます。お話を聞くと、一学年違うだけで、ファッションや価値観にはっきり『違い』があるようです。そこから見えてくる流れがとても興味深いですよ!
※掲載写真は主にイメージです。
19歳が見た20歳は『ギャル』
1学年差で大きく違う!
女子学生のファッション感
「19歳の2回生が、20歳の3回生のことを『ギャルだ』と言います。『彼女たちは子供っぽい。私たちのほうがもっと綺麗。3回生は、ルール&マナーも知らない。もっと大人化して欲しい。私たちはそういうことはとても重視している。だから、彼女たちが嫌い』とキッパリ。そういわれて観察すると、着こなしや振る舞いが確かに違うんです」
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3回生
ルール&マナーなし!ブランド大好き!パリスヒルトン大好き!
「3回生はブランドバッグを持ち、ブランド服を好んで着る。それは一流のものからH&Mやフォーエバー21 のファストファッションまでとかく『冠』のついたものには目が無い。マナーには無頓着で『パリス・ヒルトン』に憧れるイケイケな性格です」
2回生
ルール&マナーを守りナチュラル志向。宮崎あおいが大ファン。
「対して2回生は、ブランドものは持ちたがらず、ヴィトンやエルメスなどを好んで持つ3回生を身分不相応だと指摘します。彼女たちのブランドは持ってもコーチやキットソンあたり。逆に『ナチュラル』で自分らしさを追求します。社会人としてのルール&マナーもとても大切にしていて、憧れの女性は『宮崎あおい』ちゃん。どちらも象徴的ですね」
「面白いのは、3回生に『2回生がこう言ってるよ』と伝えると、『許せへん! あの子らもギャルやんかー!』と怒って言うんです。『そういうのがすでにギャルやで』って言うんですけどね(笑)」
「2回生は『あんなペラペラのスカートをお尻を見せて履くなんて。私達はそんなことしない、私達はレギンスを履きます。ちゃんと節度のあるオシャレと生活をしています』と言う。授業中の態度も3回生はおしゃべりが激しく、大きなサングラスをかけて……授業受ける気があるのか無いのか。2回生は対照的に授業中も静かなんです。そしてファッションも大人っぽい」
「20歳の3回生は『ゆとり第一世代』です。小学校の途中からゆとり教育が始まった世代。一方2回生は入学当初からゆとり教育を受けた世代なんです。ゆとり教育を背景にした微妙な差。『なるほど』とも思えます」
「そして、彼女達の親御さんにも世代差が。3回生のお母さん方は50代、まさに『DCブランド真っ盛り』。そして2回生のお母さん方は40代の『オリーブ世代』で、ナチュラル志向なんです」
これらを受けて見えてくる
今秋のキーワードは『大人森ガール』!!
「これは、まさにこれからのファッションを牽引していく世代の、2回生の彼女たちが言った言葉なんです。3回生のようにギャルじゃなく、ちゃんとルール&マナーも生活観も持っていて、ファッションも自分らしく、ある程度大人に装っていく時代じゃないか、と。なるほど、納得ですね」
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ファッショントレンドは『R』ではじまる
リサイクル・リユース・リバイバル
「リサイクルはエコリサイクル。再生繊維を使ってエコロジーに、という感じですね。上手に再生して資源を受け継ぐという、『エコロジー』『リサイクル』はすでにひとつのファッションになっています」
「リユースは、まさに親子共有。ブランド世代の製品は品物がよいので残してる人が多く、そういうのを子供達が親の押のし入れから引っ張り出して着る、というようなことが起こっています。子供服でもリユースは多く、今はもう古着が恥ずかしい時代ではないですから。時計やバッグはそのまま使って、服はアレンジして着る、というようになっていますね」
「そしてリバイバル。これが一番のトレンドで、『原点回帰』ともいわれています。疲れるとそこに帰る。『森ガール』もそうで、ファッションが疲れて原点に返っているんですね。年代的には今は80年代といわれています。でも、60年代やシャネルの時代の1920年代もある。混沌とした時代に疲れた80年代は、70年代にあった公害もゆるまってほっとひと息。そういうとき、ゆるさが出てくるんです。そこで、当時80年代ブランド世代に出てきたのは、ワイズやコムデギャルソン、ピンクハウスなど、今から考えるとまさに『森』でしたよね」
原点回帰を受けて出現した『森ガール』
「それと同じように、今、景気は底を打った、回復基調だともいわれていています。だからちょっとひと息つこうか、と。そこで『森』のテイストが出てきているのではと思います」
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ファッションは親子で感化
今、30〜40代がヤングファッションに食いつく
「我が社では2千人の着装データをとっていますが、分析してわかるのは、ファッションは親子で感化しているということです。30〜40代のお母さんは娘世代でもある一番若い10代後半のファッションを見て刺激されます。50代のお母さんは20代後半〜30代前半の子を見て刺激を受けます。そこから見ると、今のファッションを先導している若い子たちに食いついてくるのは30〜40代。それから20代後半がきて、50代が食いつく。流行には連鎖があるんです」
「そういう流れを見ると、次にくるのはやはりちょっと大人で綺麗な『大人森ガール』なんですね」
「大人森ガールの定義は、甘くなりすぎす、ちょっとエレガンスで、綺麗に着る、ということ。ポイントとしてはクラシックの流れの中に、トラッド、ミリタリーがきて、メンズっぽさも加わるということですね」
スカートの比率が増加
これも『綺麗め』の流れ?
「この春、東京都の主要駅でボトム状況をリサーチした結果なのですが、20代はパンツ対スカートは五分五分。ともすれば六分がスカートという状況でした。これまでは七、三で圧倒的にパンツスタイルが多かったのに、大きな変化です。これは、やはり『綺麗め』にという流れが出ているのではないでしょうか」
「ただ、『女性らしく、エレガンスに、綺麗めに』と、トレンドとしての『クラシックな男性的なファッション』をどうミックスするか、というのが実は難しいシーズンでもあります」
今季注目アイテムはニット!
『アウターニット』が新しい
「トラッドの流れで、アイリッシュといわれるセーターの領域の、ノルディックやフィッシャーマンなど、イギリスの一般労働者の伝統的なセーターが出てきています。また、今年の場合はそれらが『アウターニット』といわれていて、中にシャツなど着て、まるでジャケットやコートのように着るニットが出てきています」
「今までのように体にぴったり重ね着するという意味ではなく、よりアウターっぽい要素のニットまで広がりますね。当然、薄地のインナータイプから、そこまで広がります。そして、無地から、アイリッシュセーターに見られるようなジャガード、柄物のフェアアイル、ノルディック、昔のスキーウエアのようなカモシカや雪の柄などが入ったものが出てきています」
セカンドとしての注目は
コートやジャケット
「まだどうかな?という部分もありますが、セカンドとしてのマストアイテムはコートやジャケットといったアウターですね。去年の1500人の市場調査だと、ヤングキャリアがほとんど白のコートやジャケットを着ていました。白のコートはワンシーズンで終わるので、じゃあ、今年は何を着るのか、ということで動きは期待されています」
「また、ミセスになるほど、軽くて暖かいものを求める傾向があるので、非ウール素材が多くなります。ですから、正統派のウールはヤング世代が中心です。アウターは当たれば大きいので、動きは見逃せません」
「ただ、今は冬も暖かく、12月頃までほとんどコートを着なくなっています。随分着る時期が少なくなったこと、また12月からだと、消費者はバーゲンで調達するので、市場的には非常に厳しいですね」
ジャージー素材も注目
「春に隠れたヒット商品になったのが、ジャージー素材のテーラードジャケットです。ですから、秋口からはそういうのから始まって、ウールになっていくとも考えられます。ジャージー素材で、今までにないのを作るという動きもありますね」
どこまで狙えるかは気候次第
「これらがどこまで狙えるかは、やはり最終的には気候によるでしょうね。ただ、狙うならヤングのほうがいい。ヤングキャリアのほうが、今までのタンス在庫にはないものですから。また、去年白を着たから次何にしましょうか、というところも狙い目の要因です」
着こなし的には
アウターオンアウター
「ジャケットにコートを重ねるとか、大物ニットにコートを重ねるとか、着こなし的には『アウターオンアウター』でしょう。でも、そこまで寒いのか、というのがやはり気になるところではあります」
「ただ、ここ最近はヤングのトレンドは気温や気候が関係なくなってきています。今でもこの暑いのに、Tシャツの上にレザーのベストを重ねていたり、ブーツも平気で履いたりしてますよね。ですから、防寒として今の気候では売れない、と考えるのではなくて、やはりファッションとしていかに売っていくか、その着こなしの提案をしていくことが大事です」
「暑苦しいですが、『アウターオンアウター』のアウターコーデが今季のキーワードですね。そこに新しさがあります」
「ずっとカットソーの重ね着が続いていましたから、そういう意味では外装は新しいイメージです。長年暖冬でセーターを着ていなかった、だから新鮮味があるのです」
ベストやファーアイテムも!
「そういう意味ではベストも活躍しそうです。ジャケットとおそろいではなく、単独で。ベストならどんなものにでも合わせられますから、秋口はまずはベストの重ね着になりそうですね」
「ファーアイテムも注目です。それこそ、セーターの上にファーのボレロ、という組み合わせも出てきそう。今、洋品屋さんで出てきているのですが、足回りや首や手首など、ファー素材が別売りになっているんです。これって取り外せないと洗濯が気になってしまいますから、そこを合理的に突いたアイテムです。取り外せるなら、いろいろと合わせられますよね」
「暑苦しいですが、ボリューミーなセーターに、アクセントでファーのボレロを羽織ったりとか、気温を無視した、ファッションとしての重ね着が新たに出てくるのでは? 今年のファッションは冬っぽい、といえるでしょう」

